2011年2月12日土曜日

2011年2月12日、森美術館、小谷元彦展。
小谷元彦は1972年生まれで彫刻を学んだアーティスト。

入り口すぐにあるのが、ファントム・リムの5枚の写真。少女が空中に浮いているように写っており、手は開かれキリストの十字架にかけられた後のように赤く染まっているが、よくみるとベリーを潰したために赤くなっているよう。5枚の写真の右では少女は右を向いており、左に1枚行くと右へ向いて目をつむっており、3枚目の写真は真直ぐ鑑賞している人に目線を向けている、さらに左に1枚行くと左へむいて目をつむっており、一番左の写真は左を見ている。浮いているように見えるのは足に力が入っていないためであり、これは少女を横にして上から写真をとったため。髪の毛は扇状に広がっている。5枚の写真はいづれも足も服も髪の毛もまったく同一であり、顔と目線のみが変化している。服は白く背景の白と溶融している。ここにあるのは、浮遊している感覚、赤い手のひらの痛み、感情を見せずすべてを見ているような視線。
その後もなんとも引きつけられる、立体作品と、映像作品が展示されている。通底するテーマは触覚、浮遊、死、生命。生命の表現は荒川修作の「死なないための葬送」の棺桶の中にある生命の残骸の感触と似ている。

人間の肩ぐらいまである円筒の上にある髑髏が旋回し、円筒の中の赤い血を思わせる液体を掻き混ぜ竜巻のようなうずを作っている作品の絵葉書をミュージアムショップで買った。
展覧会の後作品の絵葉書を買うのは久しぶり、以前ジャコメッティの絵葉書を買って以来。

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